ゴルフの「飛距離と体格の関係」と「短所を強みに変える方法」

目次

1.飛距離は体格差によって変わりますか
2.腕の長さによる飛距離のアドバンテージ
3.体重による飛距離のアドバンテージ
4.体格に恵まれていないゴルファーの強み
5.体格に恵まれていないゴルファーほどアドレスを完璧に
 ポイント1_姿勢
 ポイント2_グリッププレッシャー
 ポイント3_軸の作り方
 ポイント4_顎を引かない
6.体格に恵まれていないゴルファーが飛距離アップするために

飛距離は体格差によって変わりますか

 

よく『飛距離は体格差によって変わりますか?』というご質問を受けますが、
お答えさせていただくと体格による飛距離のアドバンテージの差は存在します。

 

特に、飛距離に影響を及ぼすのは
『身長』と『腕の長さ』と『体重』になります。

 

まず『身長の高さによる飛距離のアドバンテージ』ですが、
身長が低いゴルファーに比べて、

 

身長が高いゴルファーのほうが、
トップポジションの位置が地面から高く離れた位置なります。

 

クラブヘッドがボールに向かう時、
低い位置から降りてくるクラブヘッドよりも、

 

高い位置から降りてくるクラブヘッド方が、
重力も相まってより加速していきますので、

 

クラブヘッドの速度は身長が高い方が上がり易くなります。

 

腕の長さによる飛距離のアドバンテージ

 

次に『腕の長さによる飛距離のアドバンテージ』ですが、
ゴルフクラブの全長はルールにより48インチ(60度計測法)と定められていますが、

 

実際にスイングを行う時『腕の長さ+ゴルフクラブの長さ』
の合計の長さに対して遠心力が働きます。

 

つまり、腕が短いゴルファーと、腕が長いゴルファーとでは、
同じ長さのゴルフクラブであっても、遠心力の大きさはまるで違うのです。

 

腕が短いゴルファーと比べ、腕の長いゴルファー方が、
より大きな遠心力が働き、

 

外に引っ張られる力(ゴルフスイングにおいては、下に向かって引っ張られる力)が
強くなりますので、腕が短いゴルファーと比べクラブヘッドの速度は上がり易くなります。

 

体重による飛距離のアドバンテージ

 

次に『体重による飛距離のアドバンテージ』についてですが、
ゴルフスイングにおいて飛ばしのポイントである『重心移動』を考えた場合、

 

重心は上下に移動します。

 

右打ちの場合、トップオブスイングで重心を右斜め上方向へ移動させ、
ダウンスイングで重心を左下方向に戻す場合、

 

その時の重心の戻りは、軽い体重のゴルファーよりも、
重い体重のゴルファー方が、より速く力強く戻ります。

 

下方向へより強く戻ることで、クラブヘッドの速度が上がり、
ボールに自重をしっかり乗せることができますので、

 

より効率よくボールの打ち出し速度を上げることができます。

 

このように、ゴルフスイングにおける飛距離について考えると、
体格に恵まれているゴルファーは、飛距離アドバンテージがとても高いと言えます。

 

体格に恵まれていないゴルファーの強み

 

上記のような言い方をすると、体格が恵まれているゴルファーに比べて、
体格が恵まれていないゴルファーは、

 

飛距離のアドバンテージが全くないように思われてしまいますが、
体格が恵まれていないゴルファーだからこそ出来る、

 

飛距離のアドバンテージも存在します。

 

それは『入射角』と
『ミート率①』と『ミート率②』になります。

 

まず『入射角による飛距離のアドバンテージ』ですが、
体格が恵まれていないゴルファーは、

 

例えば体格が恵まれているゴルファーの縦振りと、
全く同じ感覚で振っても、必ず入射角は浅くなります。

 

実はこの入射角の浅さは、
ゴルフスイングで最も難しい技術の一つ『バックスピン量の軽減』に直結しますので、

 

体格が恵まれているゴルファーがスイングする時、
ボールに対してクラブヘッドがどうしても鋭角に入りすぎ、

 

なかなか減らせないバックスピン量を、
体格が恵まれていないゴルファーは、

 

ドライバーのフィッティングだけで、
いとも簡単に適正スピン量で打つことができます。

 

次に『ミート率』ですが、①と②に分けている理由としまして、
ゴルフにおけるミート率が2つ存在するからです。

 

まず『ミート率①』ですが、
クラブヘッドの芯にボールが当たる確率です。

 

体格が恵まれているゴルファーと、
体格が恵まれていないゴルファーとを比べた場合、

 

アドレス時のボールとの距離と見え方は全く違います。

 

体格が恵まれていないゴルファーは、
実際にボールとの距離は近く、

 

アドレス時のボールやクラブヘッドの見え方は、
体格が恵まれているゴルファーに比べて一回り程度大きく見えています。

 

それにより、実は体格が恵まれているゴルファーよりも、
ボールを打つことが簡単に感じやすく、芯に当たりやすい傾向にあります。

 

さらに、地面とも距離が近く、フラット軌道ですので、
スイングにおけるクラブの最下点を作りやすく、

 

アドレス時に近い形でのインパクトを迎え易いので、
芯に当たる確率は体格が恵まれているゴルファーに比べて高くなります。

 

次は『ミート率②』ですが、これはヘッドスピードに対して、
どの程度のボール初速が出るかです。

 

右打ちの体格に恵まれているゴルファーは、
ゴルフスイングにおける『力点』になる左肩とボールとの距離が遠く、

 

しっかりと芯に捉えるか、余程の腕の筋肉量がない限り、
どうしてもインパクト時に当たり負けが起きやすく、

 

ヘッドスピードに対してボール初速をロス傾向があります。

 

それに比べて、右打ちの体格に恵まれていないゴルファーは、
左肩とボールの距離が近くスイング軌道もフラットな為、

 

当たり負けしにくく、
多少芯を外してもボール初速が落ちにくい傾向にあります。

 

体格に恵まれていないゴルファーほどアドレスを完璧に

 

ゴルフにおいてのアドレスは、
体格差により重要度が変わるものではありませんが、

 

体格に恵まれず飛距離のアドバンテージが少ないゴルファーほど、
より弱点が少ない飛距離に繫るアドレスを作ることを心掛けましょう。

 

まず、飛距離アップに繋がるアドレス方法のご紹介いたします。

 

ポイント1『姿勢』

 

飛距離を伸ばすためにアドレスの姿勢はとても大事で、
スタンスを肩幅よりもやや広い程度にした状態で、

 

できるだけ『高く大きく』構え、
両足の母子球に体重を感じる状態を作ってください。

 

両足の母子球に体重を感じながら、
すごく堂々と構えているイメージで、棒立ちに近い状態です。

 

この姿勢で、スイングにおける最も安定した大きく動きやすい状態となり、
さらに重力を効率よく活用できる高さが生まれます。

 

ポイント2『グリッププレッシャー』

 

グリッププレッシャーは『できるだけ柔らかく(お箸を持つ程度の力)』
握るようにしてください。

 

グリッププレッシャーが強よければ強いほど、
テークバック中の遠心力は弱くなり、

 

トップでシャフトがしっかりとしならず、シャフトの反動が少なくなり、
切り返しの瞬間の瞬発的な動作によるエネルギーが生まれ難くなります。

 

その結果、ヘッドスピードを大きくロスすることになります。

 

ポイント3『軸の作り方』

 

これは、ドライバーショットにおける、限定的な話しです。
ドライバーショットは、ティーアップをするため、

 

地面からボールが浮いた状態になります。

 

このような場合、アイアンなどのように地面に対して並行に立つと、
テンプラをしたり、過度な煽り打ちになったり、

 

非常にミスショットが起きやすくなります。

 

そのため、ドライバーショットに限り『軸を右斜め真っ直ぐ(右打ちの場合)』に、
予め倒しておく必要があります。

 

この『右斜め真っ直ぐに倒す』ということは、
アドレス時に頭を右足よりに動かすということではありません。

 

頭だけを、右足寄りに動かした場合、軸はC型に折れ曲がり、
回転などを含めたスムーズな動作を行うことが出来なくなりますので、ご注意ください。

 

軸を右斜め真っ直ぐに倒すためには、
まず両足を地面につけた棒立ちの状態で、

 

左に倒れながら右足を浮かし、その返ってくる反動で、
次は右足で地面を踏み、左足が浮いた状態を作ります。

 

その左足が浮いた状態の頭の位置をキープし、
左足を地面につけてください。

 

これで、軸は右斜め真っ直ぐな状態になり、
足の裏で感じる体重が『右7左3』前後の割合になりますので、

 

ティーアップした状態に適した、
スムーズな動作を行うことが出来るようになります。

 

この時も必ず体重は、
両足共に母指球で感じるように心掛けましょう。

 

ポイント4『顎を引かない』

 

実際にゴルフクラブに触れているのはグリップですが、
スイングをする場合、腕はゴルフクラブの延長線上にある為、

 

腕も含めてゴルフクラブの状態となりますので、
スイングにおけるゴルフクラブの力点は右打ちの場合『左肩』になります。

 

スイングにおいて、この力点がスムーズに動くことはとても大事で、
もしも顎を引いて構えてしまうと、右打ちの場合、

 

トップオブスイングでは左肩の動きを妨げてしまい、
肩の入りが浅くなったり、軸を動かしてしまったりと大きな弊害が起き、

 

ダウンスイングでは、フォローに向かう右肩の動きを妨げ、
振り抜きが悪くなり、スムーズにフィニッシュをとることができません。

 

顎を引かずに構えるためには、
ボールは見下すように下目で見て、

 

顎と首との間に拳一つ分程度の空間を作りましょう。

 

体格に恵まれていないゴルファーが飛距離アップするために

 

体格に恵まれていないゴルファーが飛距離アップするために、
最も有効な手段は『重心移動』です。

 

飛距離アップにおいて、体格に恵まれていないゴルファーも、
体格に恵まれているゴルファーも重心移動を行うべきですが、

 

実際は体格に恵まれていないゴルファーほど
重心移動をより効率よく習得することができます。

 

重心移動の特性上、
体全体を大きく揺さぶるような動きが必要となります。

 

体格に恵まれているゴルファーにとって、体全体を揺さぶるような動きは、
どうしても体格の大きさによる弊害で、

 

過度に大きく動いてしまう現象が起きやすく
「軸が折れる」「過度なスウェーになる」「ダウンスイングで重心を戻しきれない」など、

 

様々な問題が起こります。

 

体格に恵まれているゴルファーにとっての重心移動とは、
相当な練習量を必要とする非常に扱いにくい技術となります。

 

その為、体格に恵まれているゴルファーは、
積極的に重心移動を取り入れにくくなります。

 

それに比べ体格に恵まれていないゴルファーは、
感覚的には非常に大きく重心移動を行っても、

 

自身が感じているほど、大きな動作にはなりにくく、
重心移動の距離も短いので、ほとんどの場合、

 

体格に恵まれているゴルファーよりも、
スムーズに重心移動を習得することができます。

 

それにより、体格に恵まれているゴルファーよりも、
体格に恵まれていないゴルファーの方が、

 

重心移動をを効果的に使うことができ、
飛距離を伸ばすことができます。

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投稿者プロフィール

松谷 伸次
松谷 伸次一般社団法人日本プロドラコン協会会長/ESTIVANT.golf代表
ドラコンプロ、レッスンプロ、ゴルフクラブデザイナーというマルチな視点から、飛距離アップについての考察、検証を日々繰り返している。
飛距離アップ率99%以上という驚異の数字を叩きだしている、JPDA飛距離アップレッスン公式メソッド考案者。